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「やればできる」は本当!?

「うちの子はやればできる」「本当はやればできるのに」

親として自分に言い聞かせるようにときどき呟いてしまう言葉。そしてときどき聞く言葉。

「やればできる」は本当なのでしょうか。

 

まず現実はできていない

「やればできる」という言葉が出てくるということは、まず今の時点ではできていないということになります。できるできないをどう判断するかは一旦置いておくとして、少なくとも「やればできる」と言った人物の中ではできていないことになります。問題はこれが、「やっていないからできていないのか」「やってもできないのか」のどちらなのかということです。親としては「やっていないからできない」と思いたい。だから「やればできる」と思うわけです。ところが、やってもできない可能性もあります。その場合はショックを受けてしまうかもしれません。

 

「やればできる」の根拠は?

「やればできる」の多くの場合は単なる願望です。なぜなら大抵「やればできる」は、やろうとしない姿を何度も見てしまっているときに言う言葉だからです。実際にやってできている姿を見たことはほとんどないでしょう。ですからやってみたらできるかどうかはわかりません。むしろやっていない時点でできない可能性の方が高いくらいです。

 

「やればできる」を「やってきたからできる」に

やらない状態を見て「やればできる」と言うより、「やってきたからできる」と言えるようになった方が断然良いです。「やればできる」は、初めてやったことでも才能でできてしまうように聞こえますが、そのような人はほぼいません。できるようになる人は努力をしています。それが「やってきたからできる」ということです。この言葉がもし言えるなら、その人(またはその親子)は、自分のしてきたことに自信をもっていることになります。子どもが「やってきたからできる」と言えるようになるなら、この先他のことにも取り組んでいけるでしょう。

逆に、いつまでも「やればできる」状態の子どもは、きっといつまでもやらないでしょう。そうだとしたら、親としての言い方、子どもへの接し方を考え直す必要があります。

 

大切なのは「やる」こと

「あなたはやればできる子なのよ」と子どもに言い続けたとします。子どもはどう思うでしょうか。「ああぼくはやればできるから、今はやらなくていいや。本当にやらなきゃならないときに本気をだせばいいんだ。」などと思って結局普段はがんばろうとしなくなります。言い続けてしまうと子どもに刷り込むことになってしまいます。「やればできる」は「できる」を主軸にして話していますが、「できる」「できた」は結果です。その前に「やる」という行動が必要になります。「やる」ためにどうするか。「やりなさい!」というだけでは効果はありません。時間的に苦しくても親が一緒にやることや、習い事などの送迎をしっかりやることなどが大切です。もし自分が子どもで、親が「やりなさい!」と言ってくるのに、その親が何もしていないのでは子どもとしてもやろうという気持ちが湧くはずありません。

やるようになってきたら、「できた」という結果が待っています。「やってきたからできた」と言えるには時間がかかるかもしれませんが、その経験がそのうち自信になっていきます。親ができるのは「やる」状態にさせることです。「やればできる」という願望ではなく、実際に行動に移し、「やってきたからできる」と言えるようにしていきましょう。

子どもたちがよく使う言葉の中に、「今から本気出す!」があります。おそらく本気を出す前にすでに本気でがんばっている人においていかれているでしょう。「やればできる」と同じです。本気を出したところでアニメキャラのように一気にパワーが上がることはなく、対してそれまでと変わらないでしょう。「今から本気出す!」などと言わず常に本気で取り組みましょう。そうすれば本気を出さずとも常に高いパフォーマンスでいることができます。