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「今日学校で何か嫌なことあった?」-先輩教員の教え①

「今日、学校で何か嫌なことなかった?」

家に帰ってきた子どもとの会話。子どもが学校に行っている間、仕事をしていても家にいても親は少なからず子どものことを気にかけています。その心配な気持ちから、家で子どもに会うと「今日、学校で何か嫌なことなかった?」と聞いてしまいます。

小学校の教員として働いていた頃、先輩の先生から言われてはっとしたことがあります。

「お母さんたちは子どもに「何か嫌なことなかった?」と聞くことが多いけど、そうすると子どもは嫌だったことを探して答えなきゃって気持ちになるんだよね。「何か楽しいことあった?」って聞けば楽しかったことを探して、良い気持ちになるんだけどね。」

ということでした。親としては子どもから「嫌なことなかったよ!」の答えを聞きたいと思ってのことですが、確かに何もなければ無理やり嫌なことを探そうとするかもしれません。先輩の先生はそのことを保護者会でもお母さんたちに話していました。

 

無意識にマイナス思考

確かに「今日何か嫌なことなかった?」と聞いた場合、子どもはわざわざ嫌なことを探そうとちょっとの嫌なことを少し大きく言うこともあるかもしれません。悪い言い方をすればあら探しのような、重箱の隅をつつくようなことになるかもしれません。もしかしたらそれ以上に楽しいことの方が多かった1日かもしれないのに、嫌なことを答えることによって1日が楽しくなかったようになってしまいます。

もちろん親から見ていて「最近元気ないな」「もしかしていじめがあるのかな?」と思っているときはそのように聞くことが大切だと思います。

少しのことならプラス思考になるような話をした方が、親子ともに楽しくなり、前向きになっていくのではないでしょうか。

 

聞き方一つで子どもへの意識づけになってしまう

その他にも、子どものテストの点数を見て「◯◯ちゃんは算数が苦手なんだね」とぽろっと言ってしまうと、本人はそのつもりはなくてたまたま点数が良くなかっただけなのに、「私って算数苦手なんだ…」と苦手意識を植え付けてしまうかもしれません。

私の子どもも、「算数苦手かも」と言ってきたりします。そのときには「え?いつも良い点とってるのに?」と返しています。「このミスだって、ただ単位つけ忘れてるだけだから、計算とかちゃんとできてるんだよ」とできなかったところの確認もしてみると、算数以外のところが問題だったりするのでよく見てみるといいかもしれません。

一度苦手と思い込んでしまったらなかなかそこから抜け出せません。ますます苦手になってしまうのを大人は経験してきています。だからこそ子どもには嫌なことや苦手なことを意識するのではなく、プラス意識をもって生活してほしいと思います。